BtoB企業にとって、「リスティング広告の運用」は見込み顧客の獲得や売上向上に直結する重要なマーケティング施策の一つです。ただ実際の現場では「コストばかりかかって成果が出ない」「問い合わせの質が低い」「そもそも運用方法が分からない」と悩んでいる担当者も多いでしょう。
そこで今回は、BtoBリスティング広告運用の成功ポイントを分かりやすく解説します。
基礎知識から具体的な運用テクニック、他社が成果を出した実際の事例まで、リスティング広告を運用するなら知っておくべきノウハウをまとめてご紹介します。「リスティング広告に興味がある」「これから運用を始めたい」「運用成果が伸び悩んでいる」という方は、ぜひこの記事を最後まで読んで成果を最大化するヒントを掴んでください。
BtoBリスティング広告とは?基本的な仕組みと特徴
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジン上に、検索キーワードに連動して表示されるテキスト形式の広告を指します。
下記のように、検索結果で上部に表示される「広告」とついたテキスト文がリスティング広告になります。
検索結果画面の上部や下部に表示されるため、ユーザーが特定の課題を解決するための情報を探している「検索意図」に対して、直接アプローチできることが最大の特徴です。例えば、企業向けのクラウドサービスを提供する会社なら、「営業支援ツール」「顧客管理システム」といった具体的なニーズに応じたキーワードを設定し、サービスを探しているユーザーにピンポイントでアピールすることができます。費用をかけることで、すぐにSEOより上部に表示できるという点が特徴といえます。
ただし、BtoB分野でリスティング広告を運用する場合、BtoCとは異なる特徴や注意点を押さえておく必要があります。
ひとつは、BtoBの場合、顧客の購買プロセスが複雑で検討期間が比較的長いことです。個人消費者が比較的短期間で意思決定をして直接購入することも多いBtoC広告に比べて、BtoB広告は数週間から数ヶ月単位で商談が進むケースがほとんど。
これにより、リスティング広告で計測できるのは「問い合わせの獲得」や「資料請求」といった手前のコンバージョンなのに対し、実際には「商談数」や「受注率」といった、広告の管理画面上で出てくる数値以外にも気にしなくてはいけません。
加えて、BtoBのリスティング広告では、競合他社が狙うキーワードも類似していることから、クリック単価(CPC)が高騰しがちです。業界によっては1クリック数百円から数千円以上にのぼる場合もあります。
以上のように、BtoBのリスティング広告は単純にキーワードを設定して広告を出稿すれば良いというものではなく、しっかりと受注につながっているか、そもそもリスティング広告に出して費用対効果が合うのかは冷静に判断する必要があります。
この記事では、これらのポイントを順を追って解説していきますので、自社に最適な広告戦略を見つけ、競合に差をつけるためのノウハウをぜひ学んでください。
BtoBリスティング広告のメリットとデメリット
BtoBリスティング広告には、企業のマーケティング施策として非常に魅力的なメリットがあります。その一方で、運用にあたっては注意すべきデメリットや課題も存在するため、事前に把握しておくことが運用成果の向上につながります。ここでは、それぞれの側面を具体的に掘り下げながら、リスティング広告を効果的に活用するポイントを明らかにしていきましょう。
まず、BtoBリスティング広告の最大のメリットは、ユーザーのニーズが顕在化しているタイミングでサービスを訴求できる即効性です。
具体的に課題やニーズを抱え、検索を行っている見込み顧客に対して直接アプローチできるため、ニーズとのマッチングが上手くいけば短期間で問い合わせや商談化を促進できます。
また、リスティング広告はターゲティングの柔軟性にも優れています。業界・業種に関連した専門的なキーワードを設定することで、競合他社との差別化や特定の業界に向けた絞り込みも可能です。
例えば、「製造業 ERP」「医療業界 CRM」といったニッチな検索キーワードを設定すれば、特定の業界に強い訴求が行えます。さらに、地域や時間帯、デバイスなどの配信設定を活用し、「首都圏の企業」「営業時間内のみ広告表示」といった精度の高いターゲティングも可能です。
一方で、BtoBリスティング広告には、気をつけておきたいデメリットも存在します。
代表的なものとして、クリック単価(CPC)が比較的高いため予算によっては期待する効果が得られないことです。
例えば、月間の広告予算が30万円のとき、広告を出すことで問い合わせが100件とかくるかもしれない、と期待するかもしれません。
しかし、BtoBのクリック単価は300円程度はかかることが多いので、クリック数としては1000件程度になり、そこからの問い合わせ率が10%=10人に1人から問い合わせ100件にはなりません。(※問い合わせ率が10%程度にのぼることもあります。また、クリック単価は安ければよいというものでもありません)
特に人気の高い業界や商材は競合も積極的に広告を出稿しているため、1クリックあたりの単価が高額になるケースが少なくありません。場合によっては、数千円以上かかることもあり、キーワード調査や事前のシミュレーションが欠かせません。
加えて、BtoBの多くのケースでは、リスティング広告で獲得したリードを営業担当がフォローし、商談につなげるプロセスが必要です。つまり、リスティング広告だけで完結せず、フォローアップの仕組みやMAツール、CRMとの連携によって初めて効果が最大化されるのです。このため、広告運用担当者だけでなく、営業部門やマーケティングチームとの密接な連携も欠かせません。
さらに、リスティング広告は出稿を停止すればすぐに広告の掲載が終了するため、コントロールが効きやすい分、広告経由のみでの集客に頼ってしまうと常に一定の予算を投入し続ける必要があります。SEOなどの自然検索からの流入が増えれば、徐々に費用対効果は改善しますが、広告効果だけを見るのではなく集客全体の戦略設計が必要となります。
以上をまとめると、BtoBリスティング広告は「即効性が高く、ターゲティングが柔軟で効果を測定しやすい」といったメリットがある一方で、「クリック単価が高く、運用コストの負担が大きくなりやすい」「営業・マーケティング部門との連携が不可欠」といった課題も存在します。これらのメリットとデメリットを十分理解したうえで運用することで、費用対効果を最大化し、自社に最適なリスティング広告戦略を展開しましょう。
効果的なキーワード選定とターゲティング戦略
BtoBリスティング広告の運用成果を左右する要素は、「キーワード選定」と「広告文」「ランディングページ(LP)」「配信設定」の大きく4つです。
まず、キーワード選定において重要なのは、単に検索ボリュームの大きさだけで選ばないことです。
広告運用をしたことがない多くの方は、つい思いつく検索ボリュームが大きいキーワードばかりを選んでしまいがちですが、それが必ずしも自社のビジネス成果に繋がるわけではありません。
BtoBにおけるキーワード選定のポイントは、「コンバージョン率(CVR)の高いキーワード」をいかに見つけ出すかにあります。そのためには、まず自社製品やサービスのターゲットユーザーが、課題を解決するためにどのようなキーワードを使って検索しているのか、競合他社がどのようなキーワードで出稿しているかを調査してキーワードを洗い出す必要があります。
例えば、法人向け営業支援ツールを提供している場合、「営業支援ツール」というキーワードだけではなく、「営業効率化 方法」「リード管理 おすすめ」といった、掛け合わせのワードも含めてキーワードを広くリストアップしてみましょう。
キーワード選定の次は、広告文とランディングページ(LP)です。どれほど優れたキーワードを選定しても、広告文やLPがターゲットのニーズに適切に応えていなければ、思うような成果は得られません。
まず広告文の最適化を行う上で意識すべきポイントは、「ターゲットユーザーの課題やニーズを明確にし、具体的な解決策やベネフィットを提示すること」です。
特にリスティング広告においてユーザーは、自身の悩みを解決してくれる商品やサービスを求めています。そのため、単に製品やサービスの特徴を羅列するのではなく、「業務効率化」「コスト削減」「導入後の効果」といった、ユーザーが本当に求める価値を明確かつ具体的に表現することが求められます。例えば、法人向けの業務改善システムの場合、「月間の業務時間を30%短縮」「導入企業の95%が業績アップを実感」など、数値や実績を明示すると、ユーザーの信頼感や興味を引き出しやすくなります。
また、Google広告は現在レスポンシブ広告という最大15個のタイトルと4個の説明がユーザーごとに自動で組み合わせる形式が主流です。
そのため、検索キーワードの網羅性と広告効果の期待のバランスを取ることが重要です。
次に、ランディングページ(LP)の最適化ですが、リスティング広告の成果を高めるには広告文とランディングページの「一貫性」、特にファーストビュー(最初に目に入る範囲)が重要となります。
広告をクリックしたユーザーは、LPに遷移した際に自分の期待した情報や価値を瞬時に見つけられることを望んでいます。このため、広告文で訴求した内容がLPのファーストビューに明確に反映されていなればユーザーはすぐに離脱し、広告費用だけが消耗される結果になりかねません。ユーザーの興味を持続させるためにも、ファーストビューには広告文で提示したベネフィットや具体的な数値実績を強調して記載すると効果的です。
また、LP上では具体的なアクション(資料請求、問い合わせ、無料トライアル申込みなど)をユーザーが迷わず行えるような動線設計を意識しましょう。アクションボタンはページ内の複数箇所に設置し、視認性を高める工夫を行うことが効果的です。
例えば、ページの途中に顧客事例やお客様の声、第三者機関の評価など、信頼性を裏付ける要素を配置し、それらの直後にアクションボタン(CTAボタン)を配置すると、CVR(コンバージョン率)が大きく改善します。
BtoBだからこそ効果的なランディングページ(LP)の構成などもあるので、気になる方はぜひご相談ください。
最後に、広告文やLPの最適化は一度行ったら終わりというものではありません。常にデータを計測・分析しながら、「どのLPパターンがコンバージョンにつながりやすいか」「LPのどの箇所がクリックされているか」を継続的にテストし、改善を繰り返すことが必要です。A/Bテストなどを行いながら定期的に最適化を進めていくことで、確実に成果が改善され、長期的に高いROIを実現できるでしょう。
以上のように、BtoBリスティング広告の成果を最大限に高めるには、ユーザー視点で広告文とLPを緻密に最適化し、継続的な改善を積み重ねることが鍵となります。
競合分析の重要性と実施方法
BtoBリスティング広告の運用において、競合分析は極めて重要な位置を占めています。
市場の競争が激化する中で、競合企業がどのような広告戦略を展開しているのかを把握し、それを踏まえて自社の広告運用を最適化することが成功のポイントになります。
まず、競合分析のメリットとして、競合他社がどのキーワードで広告を出稿しているかを知ることができる点が挙げられます。自社と共通するキーワードで競合がどの程度の広告費を投入しているか、どのような広告文で訴求しているかを調べることで、自社の広告文やランディングページの改善点を明確にすることができます。また、競合が取り組んでいないニッチなキーワードを発見することで、新たなビジネスチャンスを掴むことも可能です。
競合分析の具体的な手順としては、まず競合分析ツールなどを使用して競合が使用しているキーワードを調査し、それらを自社のキーワードリストと比較します。次に、競合企業のランディングページや広告文の内容を分析し、訴求ポイントや差別化要素を確認します。この際、特に競合が強調している特徴やベネフィットを見極め、それに対抗できる自社の強みを明確に打ち出すことが重要です。
定期的な競合分析を習慣化し、市場のトレンドを把握し続けることが、BtoBリスティング広告運用の成果を最大化する秘訣です。
運用体制の構築と専門知識の必要性
BtoBリスティング広告の効果的な運用を実現するためには、適切な運用体制の構築と、担当者の専門知識が不可欠です。
広告運用は単に広告を設定して終わりではなく、継続的な分析・改善が求められるため、運用体制の整備や専門的なスキル習得は欠かせません。
まず、運用体制の構築において重要なのは、運用担当者、マーケティング部門、営業部門の連携を強化することです。リスティング広告で得られたリード情報を営業部門に素早く共有し、営業活動に反映させることで商談化率が高まります。マーケティング担当者は運用結果を定期的に分析し、得られたインサイトを営業部門と共有しながら、顧客へのフォローアップ施策を練ることが求められます。
また、広告運用を担う担当者には、高度な専門知識や最新の広告プラットフォームの機能理解が必要です。Google広告やYahoo!広告など各プラットフォームの特性を把握し、広告の最適化を進められるよう、担当者には定期的なトレーニングやセミナーの参加を推奨します。特に、データ分析能力を高めることは運用成果の改善に直結するため、専門性の高い知識の習得を意識的に行うべきです。
いわゆるインハウスでの運用となりますが、体制構築と恒常的な情報収集が必要になるので、特に最初はインハウス支援をしてもらうことをお勧めします。
運用を内部で対応しきれない場合や、短期間で成果を出す必要がある場合は、外部の専門企業や広告代理店に運用を委託するのも選択肢の一つです。専門性を持ったプロフェッショナルに委託することで、短期間で効率的に広告成果を高められるケースが多くあります。
自社の体制やマーケティングに運用体制の構築と専門知識の習得に継続的に取り組むことで、BtoBリスティング広告の効果を最大限に引き出し、ビジネスの成果に結びつけましょう。
リスティング広告運用代行サービスの活用法
リスティング広告の運用において、自社内で全てを管理・運用することが難しい場合や、より高い成果を求める際には、運用代行サービスの活用が効果的です。リスティング広告運用代行サービスを利用することで、専門的なノウハウを持ったプロフェッショナルの力を借りられ、短期間で効率的に成果を上げることが可能になります。
まず、運用代行サービスを活用する最大のメリットは、専門性と即効性です。特にBtoB市場に特化した実績のある代行業者を選ぶことで、BtoBならではの知見や広告効果だけでなく受注までの効果まで含めて改善することが可能です。また、自社で運用を行う際に生じるリソース不足やノウハウ不足を解消し、担当者が他の重要業務に集中できる環境を作ることも可能です。
代行サービスを選ぶ際に重視すべきポイントとしては、業者の過去の運用実績や具体的な成功事例を確認することや担当者とのコミュニケーションの取りやすさを見極めることが挙げられます。
さらに、代行サービスを活用する場合でも、すべてを任せきりにするのではなく、自社のビジネス目標やターゲット、競合状況などをしっかり共有し、運用代行企業と二人三脚で連携していくことでより広告効果を高めることが可能です。
以上を踏まえて運用代行サービスを上手く活用することで、自社のBtoBリスティング広告の成果を高めていきましょう。
リスティング広告と他のマーケティング手法との連携
BtoBリスティング広告の効果をさらに高めるには、SNS広告やSEOなどなど他のマーケティング手法との連携が欠かせません。
単一の施策だけで成果を上げることは難しく、複数の手法を戦略的に組み合わせることで、相乗効果を生み出し、マーケティング全体のパフォーマンスを最大化できます。
まず、リスティング広告とSEOを組み合わせることにより、検索結果ページでの露出を増やし、ブランド認知度を効果的に向上させることが可能になります。特にSEO対策でなかなか上位表示が難しいキーワードに関しては、リスティング広告を活用して即効性のある集客を行い、SEOが浸透するまでのリード獲得を支援します。これにより、短期的な成果を確保しつつ、中長期的なSEO成果を待つことができます。
また、リスティング広告で獲得したリードを育成するために、CRM施策と連携することも有効です。具体的には、広告をクリックしたユーザーに対して有益な情報や業界特有のノウハウを提供することで、見込み顧客の興味関心を高め、徐々に購買意欲を育てていきます。こうしたコンテンツ施策とリスティング広告を連動させることで、リードの質を高め、商談化率を向上させることが可能です。
さらに、SNS広告と連携させることで、ユーザーのニーズ顕在度に合わせて潜在層、顕在層とバランスよく獲得することが可能です。
これらのマーケティング施策を戦略的に統合することで、BtoB企業のマーケティング全体のROIを改善していきましょう。
まとめ:BtoBリスティング広告運用の成功に向けて
BtoBリスティング広告の運用を成功させるためには、単に広告を出稿するだけでなく、継続的な分析と改善が不可欠です。ここまで解説してきたように、成果を出すためにはキーワード選定や広告文作成、ランディングページの最適化、競合分析、さらには他のマーケティング施策との連携など考えるべきことややるべきことは多岐に渡ります。
まず、キーワード選定では、ターゲット層が実際に使う言葉や検索意図を明確に理解し、具体的な課題解決を意識したキーワードを設定しましょう。さらに、広告文とランディングページ(LP)の一貫性を徹底し、ユーザーが抱く期待に即座に応えられる設計を意識してください。
運用体制においては、マーケティング担当者と営業部門の連携を深め、獲得したリードをスピーディにフォローする仕組みを整えることで、商談化率を向上できます。必要に応じて、専門的なノウハウを持つ外部の運用代行サービスを活用することも検討しましょう。
最後に、リスティング広告単体での成果だけを追求するのではなく、SEOやコンテンツマーケティングなどと連動した総合的な施策展開を行うことで、マーケティング全体のROIを高めることが可能になります。
これらのポイントを踏まえ、継続的な改善とPDCAサイクルを回し続けることで、BtoBリスティング広告を最大限に活用し、持続的なビジネス成果を達成しましょう。